専門学校の男女:調理専門学校の場合

調理専門学校の男女比について

昔は調理専門学校の男女比は男性が多かった

私が調理専門学校を出たのはもう20年ほど前になる。
当時は調理学校で学ぶ女性はあまり多くはなく、女である私は男性に負けないよう必死に勉強したものだ。卒業はするものの、女性はやはり子供を産んだり結婚すると調理の仕事を続けていくのは難しいらしく、私の同期もほとんどが就職せず家庭に入った。

学校を卒業してからホテルのレストランに就職。ここでは私以外全員男性の職場だったので、しごかれしごかれ毎日泣きそうになりながら仕事をしていた記憶がある。それでもこのホテルレストランでの修行はとても勉強になった。
その後ある程度仕事が身についたころ、運よく自分の店をもつことができた。
私がオーナーシェフをつとめるイタリアンレストランは今年で10周年を迎える。

最近の調理専門学校の男女比は?

ある日、新しい調理場のアルバイトとして19歳の女の子を採用した。調理の専門学校で勉強しているらしく、学校にいきながらアルバイトをがんばっている姿に自分の昔の姿を重ねてみてしまう。
賄いを食べながら学校での様子を聞くと、最近では女性の生徒も多いらしくほぼ半々の男女比とのこと。女性陣は、卒業してからすぐに家庭に入ってしまうのではなくひとまず手に職をつけて社会人経験を積みたいという意見も多いそうだ。
また、結婚したり子供ができても、現代の男性は率先して家庭の仕事を手伝ってくれることが多く、女性が調理の仕事を続けることが可能になっているようだ。
時代の変化をかみしめつつ、女性の社会参加の一つとして調理の道がよりポピュラーになると、後輩が増えるようでなんだか嬉しいものである。

男性へ送る調理専門学校のすすめ

男性の私が調理師専門学校に・・・

私は高校生の半ばごろまで、料理というものは女がするものだ、と決めつけ、台所に立つ母の手伝いすらやったことがなかった。同じクラスの男子で料理クラブに所属していたやつがいたが、放課後よくからかいにいったものだ。
高校3年生の春、帰宅部だった私は近所の洋食屋のホールとしてアルバイトを始めた。
この洋食屋というのが3代続く地元の有名店で、あまり多くを語らない40代の男性のオーナーシェフであったが、ある日とある常連さんから気になる話を聞いた。
今の3代目は女手一つで育てられたものの元々料理なんてまったく興味がなく、高校生になったら暴走族に入って悪さばかり。
そんなある日、2代目である母親が脳梗塞で倒れてしまった。一命を取り留めたものの、後遺症で味覚が変わってしまい以前のような味が出せなくなってしまったため、繁盛店だったが段々と客足が遠のいていった。
そんなある日、息子は1冊のレシピノートを見つけた。1代目の祖母から続いたノートはすっかりボロボロで、2代目のレシピからは材質の違うノートが貼り付けられていた。何の気なしにめくっていると、2代目レシピの後ろにほぼ新品のノートが貼られているのに気づいた。
ページの最初に小さく「○○(3代目の名前)、大変だろうけど応援してるよ」と母親の文字が。
知らぬ間にポロポロ涙がこぼれ、改心した息子は3代目を継ぐ決心し、必至に修行したのだそうだ。
そして始めて作った料理はオムライス。今では店の看板料理だ。

料理で笑顔にしたい!

そんなオムライスは食べた途端お客さんを笑顔にする。私もそんな風に誰かを笑顔にしたい。進路の決まっていなかった私は、調理の専門学校へ進むことに決めた。
最近では男性料理人がメディアに出てくることが多く、今の男子学生たちにも将来の選択肢として料理の道がよりオープンになっていることを理解してほしい。 まずは調理専門学校から初めてみると新たな視野が広がるだろう。

女性におススメ!調理師専門学校

調理専門学校は女性には厳しい?

調理師専門学校というと、男性が多く、女性には厳しい職種だからと思っている方もいらっしゃるかと思います。
実際男女比では男性が多いですが、女性の方もかなり増えております。全員がプロの料理人を目指しているわけではなく、調理師免許を取得してから、製菓コースに再入学する方や、旅館の女将の跡取りとして、調理師免許を取得しにくる方もいたり、目的も様々です。
さらに、学校によってはカフェやコーヒーの知識を学べたり、レストランサービス、ワインの授業と、料理業界に入る為の幅広い知識を学べます。
フードコーディネータ資格を取れる学校などもあり、卒業後は厨房に限らず、バリスタ、パティシエの道を目指したり、自分でカフェを始めたり、またフードコーディネータとして料理のプロデュースの仕事に就いたり、進路も様々です。
料理教室より基礎を根幹から学べ、和洋中の総合的な知識と食品衛生、栄養学、調理科学と広い知識を学ぶことができます。
食器の選び方、食材の選び方、盛り付け、飾り付けのセンス、専門的な道具の使い方、家庭料理では学べない専門知識を得ることができます。
料理自体の腕もあがりますし、基礎を学んでいる為、家庭料理でもかなり応用が利き、料理研究家として活躍することも可能です。

料理は一生物のスキル

料理は一生物のスキルですし、免許を持っていることは就職にも有利です。
再就職でも、基礎技術があり即戦力になれると判断されるため、ブランクがあっても採用となる事例が多いです。
料理業界に興味があって、料理や食に関わる仕事をしたいのであれば、専門学校で習う幅広い知識は持っていて損はしないスキルですね。

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